ナンクロが好きだ2

 ナンクロを作っていていつも悩むのが難易度調節です。特に難しくするのは、なんというか、怖い。「き?ん?き?ん?ん」という文字の並びがあったとして、これに「きほんてきじんけん」と入れられるか。見出し語としては広辞苑第5版にはこれしかないようです。が、入れられるか。
 「解けない!」と言われるのが怖くて、いまのところ、ぼくには入れられません。それどころかナンクロについては非常に臆病で、基本的に一文字づつ決まるように、決めるための単語はできる限り長く、できれば、一文字決めるのに主と従の2種類の単語を用意します。例えば、「いきしょうち?」という文字の並びがあれば「ん」だよな、とは思いつつも、できれば「てほ?」をどこかに入れておく。保証が2倍だという効果とともに、どちらかが思いつかなくてもまだ道は残っているという状態なわけです。なかなか実現できませんけどね。
 ただ、それがいいことかというと多分違っていて、おそらく「いきし?うち?」で「よ」と「ん」を入れた方が明らかにテンポがでます。過剰な情報は無視されるならまだ良い方で、呆気なく問題が終わってしまうという、マイナスの感情を解き手に与えてしまうでしょう。
 というわけで、一文字ナンクロとかノーヒントナンクロなど作れそうな気すらしないまいなすよんなのですが、いつかは不安を不安と見せずにエンターテインメントとして提供したいなと思うのでした。